2022年、筆者は甲種ガス主任技術者に一発合格することができました!
ちなみに、筆者はガス業界に勤めた経験はありません。なので、業界未経験の方も合格できる資格です。
ただし、甲種ガス主任技術者(以下、ガス主任技術者)の試験は難しい資格です。合格するためには、しっかりと準備をしないと突破できません。
これからガス主任技術者を受験される方には、少しでも効率良く、そして合格率を高めるために、勉強に着手する前にどうやって勉強するか(勉強方法)を考えて頂きたいと思います!
皆さんが合格を掴み取るために、僕の成功体験が参考になれば幸いです。

甲種ガス主任技術者の難易度
まず、ガス主任技術者試験の合格率は以下の通りです。2021年度は20.5%と高かったですが、近年は10%程度が相場だと考えます。
年度 | 受験者数(名) | 合格者数(名) | 合格率(%) |
2022年度 | 2,296 | 234 | 10.2 |
2021年度 | 2,511 | 516 | 20.5 |
2020年度 | 2,647 | 279 | 10.5 |
2019年度 | 2,839 | 188 | 6.6 |
ちなみに、筆者は今回取得したガス主任技術者の他に、以下の資格を所有しています。
その中でも、ガス主任技術者は他の資格よりも数倍難しいと感じました!
合格率を見ると、定量的にわかると思います。。。
- 危険物取扱者(乙3〜6類)…2022年度合格率:40.2%(乙種平均)
- 二級ボイラー技士…2021年度合格率:53.4%
- 高圧ガス製造保安責任者乙種機械…2021年度合格率:38.6%
- 第三種電気主任技術者…2021年度合格率:32.5%(科目合格含む)
- 公害防止管理者(大気1種)…2021年度合格率:26.2%(科目合格含む)
- 公害防止管理者(水質1種)…2021年度合格率:38.5%(科目合格含む)
- エネルギー管理士…2021年度合格率:31.9%(科目合格含む)
他の資格と比べて難しい要因
ガス主任技術者試験がなぜ難しいか?主な要因として、2つあると思います。
①科目合格制度がないこと
どの資格試験も免状を取得するには、全科目の合格が条件です。
ただ、前述した「エネルギー管理士」や「公害防止管理者」等は科目合格という仕組みがあります。
科目合格は、一回の試験で全科目の合格ができなくとも、ある科目で合格点を取れれば、翌年と翌々年はその科目の受験が免除される制度です。
しかし、ガス主任技術者は科目合格制度がありません。つまり、全科目の勉強をして一発で合格点を取らなければならないという難しさがあります。
②五肢択一問題(マークシート)の出題方法
センター試験や資格試験などを受験された方は、マークシートの五肢択一と聞くと、次の問いをイメージされないでしょうか。
「次の5つから正しい(又は誤っている)ものを1つ選びなさい。」
これは、たとえ他の4つの答えがわからなかったとしても、正しい(又は誤っている)答えだけ知っていれば正解できます。
一方、ガス主任技術者の問い方はこうです(基礎理論を除く)。
「正しい(又は誤っている)ものはいつくあるか?」
この問いは、5つの解答のうち全てがわからないと基本的には正解できません。
正解(又は誤り)を1つだけ見つけるのと比べると、難易度は格段に上がります。
試験要領を知ろう
ここまでの説明で、ガス主任技術者が簡単に突破できないことはご理解頂けたかと思います!
でもやっぱり、できるだけ少ない努力で合格したいですよね!筆者も同じ気持ちでした。
なので、筆者は勉強に着手する前に、どのように勉強すれば効率良く合格できるかを考えました。
その第一歩として、試験要領を把握しましょう〜
ガス主任技術者試験は、「マークシート問題」と「論述問題」の2つを受ける必要があります。
試験は、「マークシート(2時間)→休憩(45分)→論述(1時間)」の順で行われます。
◯マークシート問題(五肢択一式):①〜③のすべて
<科目>
①法令(16問中すべて解答) :80点(=16問×5点)
②基礎理論(15問中10問解答) :50点(=10問×5点)
③ガス技術※(27問中20問解答):100点(=20問×5点)
※ガス技術はさらに「製造」、「供給」、「消費」の3分野で構成され、各分野9問ずつ出題されます。 この27問のうち20問の選択は自由です。
また合格条件の1つとして、①25点以上、②15点以上、③30点以上を取る必要があります。
◯論述問題:「法令」および「ガス技術」
・法令(1問出題中1問解答) :35点(0点の場合、不合格)
・ガス技術(3問出題中1問解答):35点(0点の場合、不合格)
また合格条件の1つとして、論述問題の合計点(法令+ガス技術)が20点以上を取る必要があります。
この要領の下、合格するためにはマークシートと論述の合計で180点以上の獲得が必要がです。
合格点(180点)に向けた目標点数
前述した通り、合格するためには180点以上が必要です。
各科目の難易度を踏まえて、筆者が思う目標点数(目安)は以下の通りです。
法令 (マーク) | 基礎理論 (マーク) | ガス技術 (マーク) | 小計 (マーク) | 法令 (論述) | ガス技術 (論述) | 小計 (論述) | 合計点 | |
配点 | 80点 | 50点 | 100点 | 230点 | 35点 | 35点 | 70点 | 300点 |
目標点 | 40点 | 40点 | 50点 | 130点 | 25点 | 25点 | 50点 | 180点 |
正解率 | 50% (8/16) | 80% (8/10) | 50% (10/20) | 57% | 71% | 71% | 67% | 60% |
筆者的には、マークシートの「法令」と「ガス技術」は正解率50%で凌ぐという感覚です。
解いていくうちにわかると思いますが、5問すべての正誤を見極めるというのは結構難しいです。
なので、マークシート(計算問題)と論述問題で得点を稼ぐのが理想的だと考えます。

勉強方針を立てるための事前準備
効率の良い勉強に向けて、次に過去問(マークシート)を直近2年分やってみましょう。
全然できないと思いますが、それで構いません(筆者もボロボロでした。。。)!
ちなみに、日本ガス機器検査協会のHPで直近2年の試験問題と解答がアップされています。
過去問を解くと、どんな問題が出題されるか出題傾向がわかります。
それと、できないながらも自分が得意な分野、とっつきやすい分野がわかると思います。
ガス主任技術者のテキストを見たらわかりますが、かなり勉強範囲が広いです。
「全部勉強していられない」と筆者は思いました。
過去問を解くのは、勉強範囲を絞り込むための作業です。これが、効率よく勉強するための鍵です!
教材を揃えよう
自分の得意分野を把握できたら、次の教材を揃えましょう。
教材は新調しても良いし、どなたかにもらっても良いし、メルカリで買っても良いです。ただ、できれば改定年度が最新のものを揃えてください。
古いものだと必要な情報がなかったりして、勉強の効率が落ちるからです。
新品は以下のサイトで購入できます。
◯日本ガス協会 発行図書オンラインショップ
- ガス主任技術者試験問題解説集(少なくとも、こちらは最新が良いです)
- ガス事業関係法令テキスト
- 都市ガス工業概要(基礎理論編)
- 都市ガス工業概要(製造編・供給編・消費機器編)のできれば3冊(絞るなら少なくとも2冊)
4の「ガス技術」について、詳しくは後述しますが、できれば3冊すべて購入してください。
ただ、テキストのお値段も張るので、もし絞るのであれば、過去問を解いてみて上位2科目(自分が最も嫌いな科目を除く)のテキストを購入してください。
ここまでが勉強を始める前の事前準備です。ここから、実際に筆者が立てた勉強方法をご紹介します!
勉強方法(マークシート 法令編)
まず、マークシートの「法令」は受験が必須で、また出題問題すべてに解答しなければなりません。
そのため、残念ながら「法令」の勉強は避けることはできません!
筆者の勉強方法は、「1.ガス主任技術者試験問題解説集(以下、過去問)」に収録される過去5年分の80問(16問×5年)を1問解いては解答を見て、「2.ガス事業関係法令テキスト」の該当箇所にラインマーカーで線を引きながら記憶。
これを纏めてではなく、1問毎にやっていきました。
過去問を解くのは一度では足りません。後で解き直すときに、マーカーを引いておくことで、検索しやすくなります。
なお、この勉強方法は「基礎理論」、「ガス技術」についても同様のため、以下省略します。
勉強方法(マークシート 基礎理論編)
「基礎理論」は、マークシートしかありません。ただし、こちらも受験は必須です。
ただ、基礎理論だけの特徴が2つあります。「①計算問題があること」と「②問題の問い方」です。
また、15問から好きな10問を選択できるのも特徴です。
②については、基礎理論は「法令」や「ガス技術」と違って「次の5つから正しい(又は誤っている)ものを1つ選びなさい。」という唯一易しい問われ方をします。
筆者のおすすめは、「計算問題」を集中的に勉強することです。ここ数年、計算問題は8〜10問出題されています。
筆者の分析では、「3.都市ガス工業概要(基礎理論編)」に収録される例題からしか出題されていないので、計算問題をすべて解けるようになれば40点以上の獲得が見えてきます。
また、ガス主任技術者試験は「電卓」が使えないため、手計算が難しい問題は出題されないと筆者は踏んでいました(2022年も出題なし)。なので、例題を解く数もさらに絞れます。
1つの戦略として、基礎理論は計算問題だけ勉強するのもありだと思います!
ただ、1〜2問程度は「計算問題」以外を解く可能性が高く、また緊張する中で解けない計算問題も出ることが想定されます。
筆者はリスクヘッジの観点から、過去問5年分は基礎理論のテキストと照合しながら学習しました。
勉強方法(マークシート ガス技術編)
「ガス技術」は、「①製造」「②供給」、「③消費機器」の3科目が9問ずつ出題されます。その27問のうち20問を解く必要があります(問題の選択に制約なし)。
ただ、筆者は①〜③を満遍なく勉強するのは非効率だと考えます。
そこで、筆者が立てた戦略は、嫌い(または苦手)な1科目を捨てるです。なぜなら、例えば①と②を9問ずつ解いて、残りの2問は③で適当に答えても試験は成立するからです。
実際、筆者の場合、過去問を解いたときに、③はこれまでの仕事に全く関係なく、面白さも感じず、嫌だなと感じました。なので、③は最初の2問(③の中では一番とっつきやすい)を解くと決めて、後は一切勉強しませんでした。
またこの方法は、本番の試験時間の短縮にも繋がります。最初から解く20問を決めているからです。
緊張感のある中で試験を受けると、思いのほか時間が足りません(筆者も足りませんでした)。
そんな中、27問の中から解きやすい問題を選択していたら時間を食ってしまいます。
なお、ガス技術についても過去問中心の勉強で良いのですが、過去問を1周した後、マークシートに関わりそうな部分だけで構わないので、テキスト(選択した2科目)をさらっと読んだ方がその後の理解を助けると思います。
勉強方法(論述編)
論述対策は早すぎると忘れてしまうので、1〜1.5ヶ月前から始めるのが良いと思います。
論述対策を始めるまでに、マークシートの過去問を最低でも2往復しておくことをお勧めします。
当然ですが、論述対策を始めるとマークシート対策に時間を割けなるため、マークシートはある程度の得点を取れるようになっておく必要があります。
ただ、論述ばかり勉強するとマークシートの知識が抜けていきます。論述対策と併行して、マークシートの過去問はもう1周するのが良いと思います。
論述対策は「法令」と「ガス技術」の2科目になりますが、とにかく過去問の丸暗記です。
筆者は以下の要領で対策しました。
<法令>
・法令は過去問5年分を丸暗記
<ガス技術>
①1番得意な科目(筆者の場合「製造」)の過去問5年分を丸暗記
②次に得意な科目(筆者の場合「供給」)の過去問5年のうち2年分を丸暗記
③1番苦手な科目(筆者の場合「消費機器」)は捨てる
論述問題の留意点として「法令」、「ガス技術」のいずれか1つでも0点の場合、不合格となります(逆に言うと、1点でも取れば良いので、とにかく何か解答しましょう)。
そのため、筆者は①の的が外れたときのリスクヘッジとして、②の対策をしました。
これは個人の考え方ですので、①だけに賭けるのも一案だと思います。
試験当日のおすすめグッズ
◯マークシート用シャーペン
筆者の場合、家での模擬試験では時間に余裕がありましたが、本番は時間が足りませんでした。
そこで、マークシート用のシャーペンを使うと多少なり時間の短縮ができると思います。
筆者もTOEICでは使用しているので、持って来ればよかったと思いました。
ただし、計算問題(基礎理論と供給の一部の問題)と論述には不向きなので、普通(0.5mm)のシャーペンも用意していくださいね(以下、参照)。
◯握りやすいシャーペン(論述用)
論述試験では、「法令」と「ガス技術」で膨大な文字数を書くことになります。
そうすると、試験中に字の書きすぎて、手が疲れて痛みを感じてきます。
それを和らげるため、太めの握りやすいシャーペン(例えば、ドクターグリップ)を用意しておくと良いと思います。
まとめ
これまで述べてきましたが、甲種ガス主任技術者試験は出題範囲が広く、問われ方も難しいため、簡単ではありません。
なので、自分の得手不得手を把握し、可能な限り勉強範囲を絞って、効率良く勉強するのが大切だと思います。
筆者も過去問を解く度に何度も挫けそうになりましたが、最後の1ヶ月で急激に伸びました。
難しいということは裏を返せば、合格すれば人が持っていない貴重な資格を持つということです。
どうか資格を取ったときの喜び、達成感を想像して最後まで諦めずに取り組んみてください!
おまけ(模擬問題集について)
これまでお話した方法を実践して頂ければ、十分合格は見えてくると思いますが、過去問以外の問題を解きたいということであれば、模擬問題集をやるのも手かもしれません。
ただし、僕は模擬問題集には手をつけず、過去問(3往復)だけをやって合格できました。
模擬問題集に手をつけるのは、過去問を複数回解いてもなお時間があり、過去問を覚えてきて新鮮さがなくなった場合にやるという流れだと考えます。
まずは、やっぱり過去問だと思います!!
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